議事録作成業務を効率化する、工程管理システム
背景・課題
会議録研究所様は、地方自治体において開催される議会や、株主総会など幅広い会議の記録作成から印刷・製本までを一貫して担う専門企業です。
従来は約30名の担当者が個別に担当案件の工程をExcelファイルで管理しており、各拠点から管理拠点にあるファイル共有サーバーに保管・更新していました。
この運用では、以下の課題が顕在化していました。
- 全体状況の把握が困難:進捗やトラブルは担当者からの口頭報告に依存。
- 操作負荷とエラーリスク:コピー・貼付け・行挿入などの手作業が多く、Excelフリーズも発生。
- 業務範囲の拡大:録音機材や人員(文字起こし担当・チェック担当)の手配など周辺業務も含めて一体管理したい要望。
中間管理職層の管理面を起点に「顧客単位で進捗を横断的に検索したい」「繁忙期に重なる複数案件を俯瞰したい」といった要望からシステム化の必要性が高まりました。
印刷業界向け工程管理システム「ぷぷり」の開発実績を知ったことを契機に、ネクストビジョンに開発をご依頼いただきました。
解決へのアプローチ
- Excelライクな操作感をWebで再現
オペレーターが慣れ親しんだ操作性を重視し、行挿入・コピー・削除などExcel同等の操作をブラウザ上で再現。
大規模データをメモリ内に展開する仕組みにより、フリーズのない高速動作を実現しました。 - 工程管理と手配業務の一元化
受注から音声データの文字起こし、会議録作成、印刷・納品までの流れをシステムで一括管理。
さらに、録音取材に関わる人員手配状況についても同一の基盤にて統合的に管理できるようにしました。
現場視点を大切にした伴走型要件定義
本プロジェクトでは、業務フローの見直しや現場の操作感を重視するため「伴走型」での要件定義を実施しました。
- 定例会の開催で認識齟齬を防止
約3か月にわたり毎週定例会を実施。
プロジェクトメンバー間で情報共有を徹底することで、認識の齟齬や抜け漏れを未然に防ぎました。 - 幅広い関係者の参加で現場ニーズを反映
役員・マネージャー・システム担当・オペレーターまで関係者全員が参加。
現場の業務実態や優先度を把握し、経営層と現場の共通理解を形成しました。 - 業務フローの可視化で操作感を最適化
現行のExcel運用や手書き帳票も含めて業務フローを整理。
担当者の操作手順や作業負荷を明確化し、現場がストレスなく使える操作性を第一に設計しました。
現場の声を徹底的にヒアリングし、最適化のうえでシステム化を進めたことで、導入後の現場定着がスムーズに進みました。
導入後の効果
- 業務効率の向上
分散していた膨大なExcelファイルをデータベース化し、一元管理できるようになり、案件検索や進捗管理のスピードが大幅に向上。
Excelフリーズやファイル管理の煩雑さも解消しました。 - システム移行における教育コストの削減
従来通りの操作感で利用できることでシステム移行におけるオペレーター負荷を軽減し、教育コストはほぼ不要。
マスタ自動登録や候補表示機能により日常業務の手間も削減できました。 - 管理者視点でのメリット
全体進捗をリアルタイムに把握でき、報告もスムーズになりました。
過去データも移行し、過去データの参照、流用新規登録も可能となり、スムーズな新システムの移行が実現できました。 - 安定運用
システム導入後、大きな改修はなく、項目追加やサーバー移行といった最小限の改善で長期に安定稼働を実現。
ネクストビジョンからひとこと
「現場がストレスなく使えるシステムにしたい」
その想いを軸に、お客様と伴走しながら業務フローを丁寧に整理し、現場の使いやすさを第一に考えた設計を行いました。
本番移行もスムーズに進み、担当者の皆様から「業務効率が大きく改善した」とのお声をいただいています。
ネクストビジョンは、システムをつくること自体が目的ではなく、現場で安心して使い続けてもらえる仕組みを共につくることを大切にしています。
今後も現場視点を大切にして、『まず相談してみよう』と思っていただけるパートナーであり続けます。