マスクに学ぶ日本の良いところ

ネクストビジョン ありまです。

コロナが始まったばかりの2~3年前のことです。
「ありまさん!久しぶり~」と、ばったり人に声をかけられまして、
「えぇっと~・・どなたでしたっけ?」と戸惑う私。
「〇△ですよ~」とマスクを外してくれて、やっと「ああ、〇△さんでしたか~」
皆さんもこういう経験なかったでしょうか?
それが先日、久しぶりにある会合の立食パーティが開かれたので参加したのですが、食事中に声かけられて、
「ありまさん!元気~」と。
お互い食事中でマスクを外していたのですが、「えぇっと~・・どなたでしたっけ?」と戸惑う私。
マスクを着けてもらって「ああ、◇〇さんですか。いつもお世話になります。。。」
互いに素顔でしたが、逆にわからなくて、マスクを付けてもらったら誰か解るという。(笑)
これは実話です。(笑)
コロナ流行初期の2020年、国は症状がなくても外出時は原則マスクを着用するよう求めてきました。
その後、22年6月には熱中症リスクを考慮し、屋外でのマスクは不要と周知。
飲食店や鉄道への乗車といった場面では業界団体がガイドラインを作成し、利用者に協力を呼びかけるなどもしていました。
そして本年2023年3月13日以降は、「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねる」ことになりましたね。
今回このブログでお伝えしたいのは、マスク着用の是非を語りたいのではなく、こうした一連のマスクにかかわる姿においても、日本の文化が現れてるんだなぁと気づいたので、そのことを少しお伝えします。
アメリカでコクランという団体が「ランダム化比較試験」という論文を2020年に発表しました。この論文では「『マスクをしなさい』と上から言われることが、必ずしもマスク着用の上昇につながるわけではない」ということを証明しています。
論文の中で説明している実験では、「マスクをしなさい」と命令したところ、実際にマスクを「きちんと」着用している方はとても少なかった、と結論を出しています。なんと命令をした後のマスク着用率の上昇は13%~23%くらいでしかなかったのだとか。
この実験はアメリカ合衆国の人を対象としたものですから、アメリカ人は「マスクをつけろ!」といってもせいぜい2割の人しかつけないことが証明されたようなものです。
ところが、日本では、ご承知のとおり、ほぼ全ての国民が外出時にマスク着用を当たり前のようにしてきました。そして、それがコロナ流行から短時間で習慣化され、”常識”として解釈されるのにさほど時間はかからなかったのです!
考えてみたら、これって本当に凄いことですよね!
歴史的にも日本人は海外からの文化や技術を取り入れるのが上手でした。
日本人が使う言葉についても3万~4万語の単語を使う。この多さも、多種多様な国の言葉を取り入れてきた証明のようなものです。
「排他的でなく寛容にいいものを受け入れる文化を持った国」そして変化に対応して柔軟に習慣化できる人々。
それが日本の良いところなのではないかと思います。
ところが今度は、先ほども記したとおり、マスクの着用は「個人の判断に委ねる」ことになりました。
残念なことに私は日本人の一番苦手なことになったと思っています。
「●●をすべき」と言われたことをまじめに守る。みんながやってることは自分もする。こういう右に倣え的な行動はすぐできます。
“こういうところではするべきだ”というその場の空気を読んで行動すること。これも見事にできます。
ところが残念ながら「個人の判断」となると出来なくなる。
やはり、周囲をみて無難な選択をすることになるようです。
そういうのは個人の判断ではなく周囲の判断を模倣するに過ぎないわけです。
私の予想では、マスクを外した人が増えない限り、マスクを付ける人は減らないと思います。
ということは、当分人々は「マスクは外さない」という結果になるような気がします💦
とはいえ、現時点でコロナの感染リスクがなくなっているわけではありませんね。
あえてマスクを外すべきか否か……。これは政府が決める問題ではありません。自分の身を守るために、自分で判断するしかないのです。
日本は「排他的でなく寛容にいいものを受け入れる文化を持った国」です。
これからは、「自分の判断」で適切に対応する。我々には新たにそういうスキルを新たに受け入れる必要があるように思いますね。
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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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