人は叩かれて強くなる。

ネクストビジョン ありまです。

みなさんは鋳造品(ちゅうぞうひん)と鍛造品(たんぞうひん)の違いをご存知でしょうか。
鋳造(ちゅうぞう)とは、金属を高温に熱して液体にした後、型に流し込み、冷やして目的の形状に固める加工方法です。複雑な形状でも比較的容易に加工できることが大きな特徴です。
一方で、鍛造(たんぞう)とは金属を固体のまま叩いて変形させることによって成形する加工方法です。金属を叩くことによって、高い強度が得られることが大きな特徴です。
日本に鉄が伝来したのは、遅くとも弥生時代だそうで、古代よりたたら製鉄をもっていて数千年の長きにわたり優れた刀匠が素晴らしい日本刀を作る技術に磨きをかけ伝承してきました。
先日、政府は外国人の受け入れの緩和処置を行ったことで、多くの外国人旅行客が再び訪れてくれるようになりましたが、外国人に人気なのが日本の包丁なのだそうで、飛ぶように包丁が売れているそうです。
古来からの伝統を受け継いだ鍛造による日本の刃物の製鉄技術は、世界ナンバーワンの品質として評価されているのですね。
鉄を溶かして固めただけの鋳造品でつくった刀は、とてもろく簡単に折れてしまいます。
ひたすら叩いて叩いて作る鍛造でつくった日本刀は、叩くことで粘りとしなやかさが生れ、少々のことでは折れない鉄に生まれ変わるのです。
そんな強くなった鉄のことを鋼(はがね)と呼びます。
単なる鉄が、叩かれ叩かれ「鋼(はがね)」に変わる。。。これは人にも同じことが言えるのです。
肩書だけのエンジニアだったり肩書だけの役職者なんてのは鋳造品です。
型にはめただけ。
なので何かあったら簡単に折れてしまう。。。モロイものです。
でも、様々な困難を経験し、叩かれ叩かれ、お客様からも叩かれ、身内からも叩かれ、、こうして叩かれ続けてきた人材は、強い。
しなやかさと粘りが違います。
※あ、ここで「叩く」と表現しているのはもちろんフィジカルではなく、困難や辛いことを抽象的に表現しています。
人は叩かれたら凹みます。当然です。でも、その叩かれた分だけ強くなる。そう前向きにとらえることがとても大切なのだと思うのです。
叩かれた分だけ自分は強くしなやかで粘り強い鋼(はがね)の自分に変わることができるんだ。
そう受け止めることで、ただ凹んだだけの自分がどんどん強い自分に変わっていくことができるようになる。そんなふうに思います。
何事も前向きにとらえることです。そうすればいかなる困難でも乗り切ることができるようになるんです。
先日行われた安倍晋三元首相の「国葬」で岸田文雄総理の弔辞にあった言葉をご紹介します。
「あなた(=安倍さん)は国会で『総理大臣とはどういうものか』との質問を受け、『溶けた鉄を鋳型に流し込めば、それでできる鋳造品ではない』と答えています。『叩かれて叩かれて、やっと形をなす鍛造品。それが総理というものだ』と言っています。鉄鋼マンとして世に出た人らしい例えです」
私はこの言葉に、なるほどと思いました。
たたかれて、たたかれた結果、また「安倍晋三」という存在が鮮やかに形づくられ、首相としての安倍さんを、強く大きくしたように思います。
でも私、思うんですが、
草葉の陰で安倍さん、岸田総理の弔辞を聞いててこう言ってるんじゃないかなと。
「私は、鋳造(ちゅうぞう)でも鍛造(たんぞう)でもない。私は・・・安倍晋三(あべしんぞう)だ!」
ってね(笑)
本日朝礼で話したら、社員全員立ったまま石化していました。
朝礼でお話の際はお気を付けください(笑)
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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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