日本の技術力

ネクストビジョン ありまです。

海外でいわれているジョークの一つを紹介します。
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アメリカ人、日本人、ロシア人の3人が一緒にサウナに入っていた。
するとどこからか「ピー、ピー」という音が聞こえてきた。
アメリカ人が右の肘あたりを軽く押すとその音は止まった。
「これはポケベルなんだ。肘の皮膚の下に最新チップが埋め込んであるのさ」

数分後今度は「プルルル、プルルル」と音がした。
今度は日本人が手の平を耳に当てて話し始めた。
日本人は二人に説明した。
「これは電話なんです。手には世界一小さなチップが埋め込んであるんですよ」

ロシア人は自分が何も持っていないのが悔しくてならなかった。
やがて、彼は、サウナを出て、しばらくして戻ってきた。
すると彼のお尻にトイレットペーパの切れ端がぶら下がっていた。

アメリカ人と日本人が「なんですかこれは」と聞くと
ロシア人は言った。
「おお、ファックスを受信したらしいぞ」
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同様のジョークはいくつもあるようで、
世界の中ではやはり日本人といえばハイテク・技術大国という
イメージが強いのだと思います。
ですが果たしてその通りといえるのでしょうか?

数ヶ年前、私は群馬県の太田市まで向かい、
自社商品のネットワーク機器の筐体開発の交渉をしていました。

オリジナルの形をしたPC筐体の製造をしてくれるメーカがそこにあったからです。
交渉は順調に進んでおり、具体的な設計交渉に入っていました。

ところが、突然、親会社の金属加工会社の倒産・・・。
それにより結局、開発は中止。計画は頓挫してしまいました。

その後、秋葉原を何度も徘徊して同様のメーカを探すのですが見つかりません。
オリジナルな筐体製造ができるのはあの太田市の中小企業が国内唯一だったようでした。

あとに残る日本の企業は、台湾からパーツを輸入してきて
組み立てることしかできない企業でしかなかったのです。
まさに日本の製造業の空洞化を目の当たりにしたのでした。

国内生産では人件費も高いため単価が高くなるため、利益もだせない。
技術力で差をつけているうちはまだよかったですが、
台湾、韓国、中国も技術力はますます高いものになっています。

ですが日本独自の『匠の技』とその精神性みたいなものは、
現在の日本力といえる先端テクノロジーやアニメなどにも引き継がれているように思います。
匠が持つその細かい技は他の国の人々にはできないモノと思っています。

しかしその反面、効率化重視で職人の技やモノづくりの現場をないがしろにし過ぎ。
機械を盲信しすぎ。その結果、力のない技術者が育ち、日本の工業力も落ちてしまっている
そのようにも感じます。
その結果、国内でも希少な技術をもつ中小企業が消滅し空洞化がすすむ・・。

わが国には匠の技術でしか製作できないものがあり、それが先端技術を支えていると考えると
日本を誇りに思いますが、その技術継承が行われているのかどうかに不安が残ります。

これからの技術者の将来に必要なことは、
他に無い特別な匠といえる技を身につけること。
そしてその優れた技術を後輩に継承しようとすること。
これも技術者としての義務の一つです。

当社のセキュリティ機器製品の筐体は現在、某台湾メーカに開発してもらったものを輸入し、
これに当社の技術の粋を集めたソフトウェアを載せて販売を進めています。
ソフトウェア以外は国内製ではありませんが、こうした我々が持つ高い技術力は、若い次の世代には
確実に受け継いでもらいたいものです。

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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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