終わりよければすべて良しの法則

ネクストビジョン ありまです。

楽しいデートをしても、去り際の印象がよくなければ、楽しい思い出にはなりにくいもの。逆に、去り際も胸がときめくようなものであれば、その日の思い出は楽しかったものとして記憶されて「また会いたい」という気持ちにさせたりするものですね。
どんなにつらい目に遭っても、終わったときに楽しかったり面白いと感じれば「またやってみたい」と思うことありますよね。たとえば、映画の中盤の盛り上がりが多少かけていたとしても、終盤の盛り上がりが良ければ「もう一回みたい」と思えます。
これがアメリカの経済学者であり心理学者のダニエル・カーネマンという人が提唱した「ピーク・エンドの法則」です。
ダニエル・カーネマンはこのことを証明するために次の実験を行ったそうです。
まず被験者を2グループに分けて、グループA・グループBとします。
グループAには、大音量の不快な騒音だけを聞かせました。
グループBにもグループAと同様の不快な騒音をを聞かせるのですが、その時間をちょっと長めにします。ただし、その最後にちょっとだけ軽減された騒音にしました。
その結果のアンケートでは、「不快」を表したグループはBのほうが軽かったのです。
すなわち、グループBは最後に追加された「マシな騒音」を聞かされた分、グループBの方な不快な騒音を聞かされた時間が長かったにも関わらず、グループAの人達よりも低い評価を下す傾向が見られたということなのです。
これは人は心理的にその経験を「合計」ではなく、「終わりの印象」で知覚するという事が立証された心理学実験と言えるのです。
音楽で例えるなら、心地よい音楽であっても満足度が平坦に続くものより、満足度に山谷があって、終盤に向けて盛り上がるような変化があるほうが印象としては残りやすいのです。
映画でもおなじですよね。
これが営業活動であれば、お客様にご訪問し・商談を開始・立ち去るまでのストーリーの中で、立ち去る目前の終盤に最も盛り上がるように力を入れた方がよさそうです。
忙しいとつい「急いで、その場を立ち去る」ことがありますが、これはNG。この場から早く逃げ出したいんだなと誤解されてしまうかもしれません。
できれば握手などをして「楽しかった」や「親しみを持っている」ということを表現し、ゆっくり落ち着いて振舞うことが肝心でしょう。
昨今「働き方改革」というスローガンが叫ばれています。
そもそも仕事とはつらいことが多いものですが、一日の仕事が終わったときに、「楽しい」「面白い」と感じられたり、「達成感」を感じられるような体験があれば、たとえ辛い一日だったとしても「明日も頑張ろう」という気持ちにさせられるのではないかと思います。
終礼を開いて一人一人に今日のよかったことを伝えてあげるでもいいです。みんなで拍手をして終わるという習慣を行ってもいいのです。
管理者は、単に労働時間を短縮すればいいということではなく、そういう「一日の終わりの印象をよくする」ための機会を与えたりそういう配慮を考えるといういうことが実はとても大切なことなのではないかなと思います。
それこそが本来求められる「働き改革」といえるのではないでしょうか。
「ピーク・エンドの法則」ぜひ参考にしてみてください。
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この記事を書いた人

有馬 猛夫(ありま たけお)
ネクストビジョングループ 代表 IT系の専門学校で11年間教壇に立った経験を生かし、1999年ネクストビジョン設立。広島発ITベンチャー企業として製品開発・サービスの提供を行う。2006年広島市企業診断優良企業賞受賞。2008年マイクロソフト社と広島市によるITベンチャー支援企業として中国地方で初の選定企業となる。
・株式会社ネクストビジョン 代表取締役社長
・株式会社マイクロギア 代表取締役会長
・アナリックス株式会社 代表取締役会長
・一般社団法人ヘルスケアマネジメント協会 理事

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